汗が止まらなくなることでお悩みの方へ

ハンディファンで冷やしながら、制汗スプレー、シート、ハンカチを駆使して大量の汗を抑えようとする…
電車の中や職場など人目がある場所で汗が止まらなくなり、自分が変に思われていないか不安になるという悩みを抱えている人がおられます。
汗をかくことを気にしすぎて人とのかかわりを避けてしまう状態に陥りやすく、悩みはただ汗が出ることのみに留まりません。

汗をかきやすいのは体質的な要因だけでなく、汗をかくことで周囲からどう思われているのか気になり、そのストレスが発汗を促す発汗恐怖症という悩みがあるのです。

この記事は、発汗恐怖症とは何か、発汗恐怖症のカウンセリングについて説明しています。

発汗がストレスになり、ストレスが発汗を促すという悪循環

汗が出はじめると汗が止まらない状態を他人にどう思われているのか気になってストレスが生じ、そのストレスが発汗を促すので余計に汗がよく出るようになるという悪循環に悩まされます。

このような悪循環で、人とのかかわりに不安や恐怖を感じたり、外出するなどの生活に制限が生じたりしている状態を発汗恐怖症と言います。

発汗恐怖症の人は体質だけでなく、心理的に自律神経を刺激しやすい傾向を持っている場合があるため、ストレスへの対処、心理状態のコントロールができる術を身に付けることが改善に必要となります。

発汗恐怖症は対人恐怖症の一種

発汗恐怖症の人は汗をかいている自分が他人にどう思われているのか気にしやすく汗をかきやすい自分が変に思われているのではないかと考えています。
汗をかいている自分が他者から悪い評価を受けることを恐れているため、対人恐怖症に該当する症状だと言えるのです。

だから、汗かきであったとしても他人からどう思われるか気にならない人は発汗恐怖症には該当しません。
発汗恐怖症は汗をかきやすい体質の問題ではなく、汗が出ることをどのように感じているかという心の問題であるため、カウンセリングを受けることが改善に有効なのです。

発汗恐怖症になりやすい人の特徴

人とのかかわりで我慢をしている

発汗恐怖症になる人は人とのかかわりで言いたいことが言えず我慢している傾向があります。
本当は嫌なのに嫌だと言えずに抑え込む。

言いたいことを言えば嫌われるかもしれない、相手を困らせてしまうかもしれないと気を遣い、自分の本音を押し込めているのです。
普段抑え込んでいる気持ちが汗になってあふれ出しているという見方があります。

見た目に対する意識が強い

汗を大量にかいて変に思われるというのは見た目のことです。
発汗恐怖症になる人は見た目を意識していて他者からどう見られているかを気にしています。

自意識過剰の状態であり、実際に他人が見ていなくても見られている感覚になっています。
人前に立って話しているときに注目されることを恐れるあがり症と似ているところがあるのかもしれません。

自己肯定感が低い

ありのままの自分でいいという感覚が薄いです。
常に自分の価値を見いだそうと頑張っていて肩の力を抜くことがなかなかできない。
走り続けているような感覚になっているから汗が止まらなくなるわけです。

人とのかかわりにおいてありのままの自分を見せられず、自分を偽って良く見せようとばかりしています。

発汗恐怖症を克服するカウンセリング

発汗恐怖症の方からは、昔から汗かきだったけど、大人になってから気になるようになったという方やストレスが増加する出来事をきっかけに汗が出過ぎるようになったという内容の相談が多いです。

汗をかくこと自体は身体のメカニズム的に正常なのですが、汗をかくことを気にしてストレスが増加しているとき、何かの出来事によってストレスを抱え続けているとき等は、ストレスの影響で発汗量が増えることもあります。

カウンセリングでは、話を聴きながらその人の悩みに合わせたアプローチを行っていきます。
ストレスが改善されることで悩みが解消する人もいれば、自律神経のコントロール方法を身に付けた方が良い人もおられるので、まずは発汗についてどのようなお悩みを持っておられるのかお聞かせ下さい。

ストレスが発汗量を増加させる理由

ストレスが蓄積していたり、常時ストレスを受ける環境にいると交感神経の働きが強くなって汗が出やすくなってしまいます。

交感神経は激しい運動をしているとき、不安や恐怖を感じているとき、イライラしているとき等に高まる神経です。
上記のような場面で汗をかきやすくなるのは容易に想像できますよね。

汗をかくことは体温調整のために必要ですが、ストレスで交感神経の働きが乱れてしまうと必要以上の汗をかいてしまうようになるのです。
だから、ストレスを緩和することによって汗がひくことがあり、ストレスが軽減されたことによってその日から汗の量が気にならなくなった事例があります。

汗をかくことに対する認知を変える

汗をかくのがおかしいと思っていると汗をかいてはいけないという考えになります。
しかし、汗は出てくるもので止めることはできず、かいてはいけないと思うほどストレスがかかり、逆に汗が出やすい状態になっていきます。

汗は自然に出てくるもの。そして、人目を気にしている今の状態ではより汗をかきやすいものだと認める。
気にはなるけど汗が出てくるのは仕方がないと思うことができれば汗は止まりやすくなります。

他の人に比べて汗を多くかいている人がいれば多少は注目されるでしょうが、自分が気にしているほど注目されるわけではありません。
そもそもたいていの人は他人のことをあまり見ていないですからね。

カウンセリングでは汗をかくことへの過剰な意識を緩和するため、汗をかくことに対する捉え方(認知)を変える働きかけをおこなっていきます。
汗をかくことが重大ではないと認識できれば、汗が引くまで意識せず置いておきやすくなるのです。

呼吸法によって自律神経に働きかける

カウンセリングの中では、発汗恐怖症の方に自律神経のコントロール方法を身につけて頂くために呼吸法をお伝えしています。

その理由は、自律神経の働きを落ち着ける効果が呼吸法にはあるので、焦ったり、驚いたりした時に汗が出てきても、呼吸を落ち着けると少しずつ汗がひいていくのを感じることがあります。
自律神経のコントロール方法を知っているという安心感も発汗を抑えてくれる要因になりますね。

また発汗恐怖症の中には、何らかのストレスが原因となり、急に大量の汗をかくようになったという方もおられます。
そのような方は、カウンセリングで原因となった出来事についてお話しいただくことで発汗の度合いが落ち着いていく可能性があります。

今、汗が出るということについて悩んでおられるなら、一度カウンセラーに相談してみませんか?
心と体の働きは密接に関係しているため、カウンセリングを通じて心にアプローチすることから始めていただければと思います。