カウンセリングに依存することはあるのか

カウンセリングを受けてみたいけど、カウンセリングに依存してしまわないか心配だという方のためにカウンセリングへの依存に関して説明します。
まず、説明を読む前に下記の4点を把握しておいて下さい。

  1. 依存は、改善、成長の前のプロセスである。
  2. 依存相手は選ばなければならない。
  3. 依存は一時的なものでなければならない
  4. 依存は自立のための一時的な避難所である


依存という言葉を辞書で調べると『他のものに頼って生活または存在していること。』と書いてあります。
この意味からいうと、悩みの解決をカウンセラーに頼ることで自分の精神状態を改善、維持することは一種の依存です。
ただ、カウンセラーに対して悩みの相談をするという形で依存する上で心に留めておいて欲しいことは上記の4点です。

カウンセリングは、悩みの解決を目的に受ける人が多いですが、その中で心の成長と自立が進むということが大切であり、それがあるからこそカウンセラーを一時的に頼ったとしても悩みの解決とともに安心してカウンセリングを止めることができるのです。

しかし、カウンセリングは、どうしても精神的に不安定になっている人が相談することが多いため、カウンセラーがクライエントの精神的自立を支え、導こうとしなければクライエントがカウンセリングに依存する可能性が高くなってしまいます。
この記事を読んで頂くことが、カウンセリングに依存したままにならないための心構えを持つこと、クライエントを依存させてしまうカウンセラーを避けるための知識を持つことにつながればと思っています。

カウンセリングで起こりうる悪い依存

カウンセリングに対する問題のある依存の仕方は以下の通りす。

  • カウンセリングを止めることが不安になっている。
  • カウンセラーに自分の言うこと以外は聞くなと言われて従っている
  • カウンセラーに相談を続けても悩みが解決しない


カウンセリングを受けたことで、一時的にカウンセラーに依存することになり、それが悩みの解決と心の成長につながっていけば良いのですが、カウンセラーの対応に問題があると悩みが解決しないのにカウンセリングを止められないという状態は、悪い依存の仕方だと言えます。

カウンセラーが勉強不足であったり、クライエントに頼られることに酔っていると、クライエントをカウンセリングに依存させてしまう可能性が高くなります。
クライエントをカウンセリングに依存させないためには、カウンセラーがクライエントの悩みの解決を支え、心の成長を促すことを意識してカウンセリングを行わなければならないのです。

クライエントを依存させやすいカウンセラー

世の中には、クライエントを依存させてしまうカウンセラーがいます。
カウンセリングを受ける時には、そんなカウンセラーを選んでしまわないようにすることが大切です。

下記は、クライエントを依存させてしまうカウンセラーの特徴です。

  • 自尊心が低く、卑屈で歪んだ自己愛を持っている
  • 自分の嫉妬心をコントロールできない
  • カウンセラーとして知識もスキルも足りていない
  • カウンセリングなら自分にもできると思っている
  • 社会で働く、人間関係を構築する力を持っていない


もし、カウンセリングを受けた時、上記のような要素をカウンセラーから感じた場合は、他のカウンセラーを探すことを考えた方が良いかもしれません。
カウンセリングは、コミュニケーションによって人を支援する人間関係であるため、カウンセラーに問題があれば依存関係が強くなってしまいます。
クライエントを依存させてしまうカウンセラーに相談し続けるようなことがないように、上記の内容は参考にして頂ければと思います。

依存から心の成長につなげるカウンセリング

誰しも心身が不健康、不安定な時は誰かの支えが必要です。
また、知識やスキルが未熟な時は、誰かに教わることが必要です。
カウンセリングでは、心のケアはもちろん、クライエントの成長を目的としたコーチング的なアプローチを行うこともあります。

その結果、心の状態の安定を得るだけでなく、社会の中で自分の健康を保つ、人間関係で心を消耗しないための知識やスキルを得ることによって、最終的にカウンセラーに頼らなくても良い状態でカウンセリングを卒業することができることが理想であり、カウンセラーはそれを目指してカウンセリングを
行わなければなりません。

人間は、そもそもお母さんに全面的に依存しなければ生きていけないような状態で生まれてきます。
そしてお母さんに依存し続ける中で、自尊心を養い、生きるための知識やスキルを身に着けて少しずつお母さんに頼らなくても良くなっていって自立していきます。

カウンセリングも、カウンセラーはクライエントに一時的に依存してもらいつつ、その中でクライエントの自尊心を養い、社会で生きるための知識やスキルを提供します。
そして、カウンセラーに頼らなくても大丈夫だという感覚を手に入れてもらい、社会の中で自分らしく生活できるように導くことがカウンセリングの目的です。

クライエントの成長によって変わるカウンセラーとの関係性

カウンセラーは、クライエントの自立を目的としてをカウンセリングを行うのですが、中には相談内容に関わらず自立度が高くなってもカウンセリングに
通い続ける方もおられます。

このようなケースは、カウンセラーがクライエントを依存させているのではなく、自立したクライエントの判断でカウンセリングを受けることが有益だと感じて通っているケースになります。
この場合は、カウンセラーとクライエントの関係性も最初にカウンセリングを受け始めたころよりも良い意味でラフになっていて、一見するとカウンセリングをしているのかどうかわからないような会話の展開になっています。

5年以上カウンセラーをしていると、このような関係性になるクライエントも数人は表れてきます。
その方たちは、自分の判断でカウンセリングを自分の人生の投資と位置付けて活用しておられるように感じます。
カウンセラーから継続を促すことはなくても、自然と次の予約を取って帰る方、自分のタイミングで必要な時に予約を入れて相談に来られる方など、自分のペースでカウンセリングを上手く使っている方もおられます。

私達は、悩みの解決が進む過程で心の成長が進むこと大切にしたカウンセリングを行っています。
カウンセリングを受けるなら、そのようなカウンセラーに相談したいという方であれば、一度ご相談頂ければと思います。