HSPに悩む方のカウンセリング

カウンセリングオフィスAXIAでは、自分はHSPかもしれないと感じている方、HSPであることに悩んでいる方からの相談依頼を頂いています。

最近、自分が抱えている悩みについて調べていたらHSPかもしれないと感じ始めた、以前からHSPであると自覚していて悩みを抱えていたという方などがカウンセリングを受けておられます。
また、自分は繊細なところがあり、メンタルが弱いと昔から思っていたという人も話を聴いているとHSPの特徴が当てはまることが多いということが良くあります。

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは

私のところだけでなく、カウンセリングに通っている人の中にはHSPであるという人は少なくありません。
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略称で『とても感受性が強くて敏感な気質の人』のことをです。
HSPは、先天的に備わっているものであると言われています。

カウンセリングを受けている人の中にHSPの人が多い理由は、感受性が強くて敏感なためにストレスを抱えやすい、人間関係や社会生活で疑問を抱きやすいためカウンセリングを受ける理由が生じやすいのです。

5人に1人はHPS

HSPは、アメリカの心理学者エレイン・アーロンという方が提唱した概念で、その人の調査によると統計的には世界の人口の約20%ほどだそうです。
大体5人に1人はHSPだということになりますが、学校で30人クラスだとしたら6人くらいは同じクラスにHSPの人いる可能性があります

ただ、HSPの人は、繊細で警戒心の強いために自分の思っていることが人と違っていたらどうしようかと、自分の感覚を言葉にすることを控えている傾向もあるので、学校の同じクラスや職場など、身近にHSPの人がいてもわからないということもあるようです。
そのため、HSPの人は自分の悩みを周囲の人に共感してもらえることが少なかったという体験を持っていることも多いです。

HSPの人が持っている5つ特徴と悩み

HSPだという人は、いくつかの顕著な特徴を自覚しているのですが、その特徴のおかげで抱えやすい悩みもあります。

HSPの人からカウンセリングの中で話題に上がる悩みも、HSPの特徴が影響することによって生じています。
主な特徴とそれによって抱えている悩みは以下の通りです。
この記事を読んでおられる方は、いくつか当てはまるというものがあるかもしれません。

1.情報収集能力に長けているが心が疲労する

その場の空気から感じられる情報を深く読み取り、気配りができるという特徴がありますが、気づくからこそ判断に迷ったり、不快に感じることもあり、心が疲れやすい。
HSPだと複数人での会話は疲れると感じるので、職場の飲み会などは苦手だという人も多いです。
また、テレビやネットなどで情報を収集しすぎると心理的な負担を感じるという人もおられます。

2.刺激に敏感で神経が疲労しやすい

HSPの人は外部から受ける刺激に対して敏感です。
音、光、味、におい、肌に触れる服の素材、気候の変化などに敏感なため、何かに気づく力も強い反面、意識しなくても刺激を強く受けてしまうために神経疲労を起こしやすいのです。

3.共感力が強く、感情移入しやすい

共感力が高いため人の痛みや悲しみに敏感で寄り添ってあげる優しさを持っている人も多いですが、他人のことでも感情移入しやすいため自分自身の感情が揺さぶられて疲れてしまうことがあります。

また共感力が強い分、他人との間にある心の境界線が薄いため、他人の思考や行動に影響を受けて自分の意思が分らなくなったり、本音を抑え込んで他人に合わせてしまう傾向があります。

4.疲労を感じやすい

どこかに出かける、仕事をする、人と会話をするという日常の中で誰もが行っていることでもHSPではない人に比べると疲労を感じやすいという特徴があります。
何をしている場合でも、持ち前の情報収集能力や共感力が自然と働いているため、脳は他の人よりも多くの情報や刺激を吸収して疲れてしまうのです。

5.自己否定と他者優先

HSPの人は、学校や職場、友人関係の中でも周囲の人の意向を気にして、それを優先しようとしてしまいます。
自分の本音が他人の意向と違っていても、それを抑え込んでしまいます。

そのため、人間関係の中で我慢することが多い、職場で過度な仕事を引き受けてしまう、進学や就職、結婚などの選択で家族や周囲の意向を優先して判断をしてしまうなどの悩みを抱えていることが多いのです。


HSPの人にとっては、上記の特徴は物心ついた時から感じているので、ある程度は仕方がないと思って生活してきたが、カウンセリングを受けたことで自分の抱えていた特徴はHSPというものに該当するということを始めて知ったという人もおられます。
カウンセリングでは、幼少期からの話を聴くことも多いので、本人がHSPだと自覚していなくても話を聴いているうちに相談に来た方がHSPであるという可能性をカウンセラーが感じることは多いと言えます。

HSPの特徴が影響して生じる悩み

HSPの特徴があるからこそ抱えやすい悩みはいくつかあり、カウンセリングでもその悩みについての話を聴く機会は多いです。
どの悩みも繊細がゆえに生じていて、幼いことからずっと同じ悩みを抱えてきたという方が多いです。
自分はもしかしたらHSPだと思っておられる方は、下記の内容が該当しているかもしれません。

HSPと人間関係の悩み

1つは目は、人間関係の悩みです。
相手の気持ちがわかりすぎること、繊細であるために自分の気持ちを伝えることを躊躇してしまうことなどから、人間関係で悩みやすい、疲れやすいということがあるので、HSPの人から人間関係の相談を受けることが多いです。

HSPの人の中には、繊細さがいろんな想像につながってしまって対人恐怖症になってしまう人もおられます。
自分のような繊細さを他の人も持っているように思ってしまい、他の人は自分のことをどんな風に思っているのか考えだすと人とコミュニケーションを取ることが怖くなってしまうのです。

HSPと仕事に関する悩み

2つ目は、仕事に関する悩みです。
仕事でいろんなことが気になって悩みが増えたり、神経疲労を起こしたりします。
特に人の多い職場や電話が良く鳴る職場だと上手く集中できなくて仕事で本来の力が発揮できていないというもどかしさを感じることもあるようです。
1つのことにじっくり向き合うことは得意だったり、コミュニケーションでも1対1だと相手に親身になって対応できる力は高いので、自分の特徴にあった仕事を見つけることも悩みの解消につながります。

今の仕事は繊細さを抱えてやっていくには負担が大きいので、自分の特徴に適した仕事をしたいという相談などがありますが、カウンセリングではHSPということを踏まえた転職、適職探しの相談も行っています。

HSPと子育てに関する悩み

3つ目は、子育てに関する悩みです。
HSPであるがゆえに子育てでも負担を感じることが多く、『自分は子育てに向いていないのではないか』、『子育てが思いのほか負担に感じる』、『自分が親だと子供はかわいそうだ』と悩んでしまうことが多いようです。

HSPが子育ての悩みにつながるのは、子育てをする上で気になることが多くて疲れてしまったり、子供の感情に敏感に反応して心が辛くなってしまうことが関係していることが多いように感じます。

HSPと恋愛、夫婦関係の悩み

4つ目は、恋愛、夫婦関係です。
相手がHSPではない場合、感覚や価値観の違いから衝突することや理解し合うことが難しいことが多かったり、自分が一方的に悩むことがあるということで相談を受けることがあります。
1人でカウンセリングを受けていく中で悩みを克服していく人もいれば、パートナーにも一緒にカウンセリングを受けてもらいHSPへの理解を深めてもらうという人もおられます。

また、夫婦ともにHSPだという方からの相談を受けることもあります。
その場合は、お互いに理解し合えるところがある反面、お互いの弱いところを補い合えると良いのに、同じようなことを負担に感じてしまうという点が悩みになってしまうようです。
このようなケースは、夫婦としてHSPとどう向き合っていくかという相談になることが多いです。

HSPで悩む人へのカウンセリング

AXIAは2008年に開業していますが、2年前くらい前までは自分がHSPだと自覚せずに相談に来ている人が多かったのですが、最近はHSPのことについて相談したいという依頼も増えています。

どちらのケースも相談の内容は、HSPだからこそ感じることが心の負担になっているという問題や人間関係で我慢をしたり、本音を抑えて判断や行動をしてしまうという悩み、HSPの特徴によって生じる親子関係、恋愛、夫婦関係の葛藤などに関するものが多いです。

カウンセリングによる自己理解の促進

HSPという特徴を抱えて生活していくには自己理解を深めることが大切です。
自分の特徴をよく理解してHSPの特徴とどうやって付き合っていくのか、生活習慣でHSPの負荷をどのように軽減するのかということが生活の課題になります。

HSPの当事者は、自分の体験という点からの自己理解はありますが、カウンセリングではそこに知識や客観的な視点からのアドバイスを得ることで自己理解が促進されます。
カウンセリングは、カウンセラーが話をよく聴かせて頂きながら自己理解が促進するように導いていきます。
HSPという特徴を持った自分と上手く付き合っていくためにカウンセリングで自己理解を深め、自分に合った生活の仕方を確立して頂ければと思います

傷つきやすさに対する心のケア

カウンセリングは、HSPの特徴である傷つきやすさのケアとしても活用して頂ければと思います。
繊細さから他人の言葉や出来事によって傷つきやすい傾向があり、それが心を疲れさせてしまうことがあるので、人に話を聴いてもらって心を整理する習慣を持つことも安定した精神状態を保つ方法です。

カウンセラーは、話を聴きながら自分の感覚ではなくHSPの過敏性を考慮して話の内容を吟味していくので、心の整理を当事者の視点に立って行ってくれます。
過敏性があるため物事を過度に捉えてしまうこともあるので、話を聴いてもらいつつ他人の視点からのアドバイスをもらうことも自分の過敏性を和らげることになります。

HSPのカウンセリングのまとめ

HSPは、本人を悩ませる特徴であると同時に活かし方によっては有効な能力にもなります。
自分の特徴を活かすためには自己理解を深めること、心のケアを行って精神状態を安定させることが必要になります。
その上で、カウンセリングを通じて自分の特徴を活かせる方向性を模索して頂ければと思います。

私達はHSPの人が、負荷をコントロールしながら、自分の特徴と上手く付き合っていけるようにカウンセリングという形で援助をしているので、カウンセラーに話を聴いてもらいたいと感じたらご連絡ください。

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