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心の悩みの相談は大阪のAXIAへ

2023/04/09
相談事例

新社会人のストレス原因となる2つの理想

4月は新社会人として初めて社会で働くという人がたくさんいます。
今回の記事は、新社会人の時期に抱えやすいストレスとその原因に関する内容です。
新卒として社会に出た人の中には、この時期に抱えるストレスで社会の中で働いていくための出鼻を挫かれてしまう人がいます。
また、その中にはそのまま社会に出ることが難しくなってしまう人もおられます。

この記事は、新社会人の時期に受けるストレスへのストレス耐性を高めて、心の健康を維持して働いて頂けるようにと思って書いています。
春から新卒として働き始めた方にはぜひ読んで頂ければと思います。

新社会人のストレスとなる理想と現実のギャップ

理想と現実のギャップが大きいほど、そのギャップによって受ける心理的ダメージによってストレスも大きくなります。
私達はカウンセリングという形で新社会人として働き始めた人の相談を受けることがあるのですが、その中で感じている理想と現実のギャップが生じる傾向というものがあります。

職場のストレスには、仕事の負荷や勤務時間、ハラスメントなどといった原因もありますが、この記事では理想と現実のギャップから生じるストレスに絞った内容を書いています。

新卒として社会にでは働き始める人は、主に下記のような2つの理想像を持っています。

  • 社会人としてしっかりと働き周囲にも認められるという自分に対する理想
  • 優しく適切な指導、道理の通った言動ができるお手本となるような上司
これらの理想像を持っているからこそ生じるストレスがあり、それによって心のバランスを崩してしまう人がいるのです。

仕事ができて周囲からも認められるという理想像と現実のギャップ

厳しい話をすると、社会に出て働き始めると最初に直面するのは『自分の無力さ』です。
これは能力がないということではなく、これまで学生として身につけてきた能力は持っていたとしてもそれを仕事で成果を出すために活かすには知恵と経験が足りないということです。

自分が選んだ職場で能力を発揮していくための知恵と経験がないために頑張っても空回りになります。
意欲の高い人、承認欲求の高い人ほど自分の理想像も持っているので、そこでギャップが生じてストレスを感じてしまうのです。
学生時代のアルバイトやインターンシップの経験によっては、このような心理的葛藤をもう少し小さな形で味わっていて新卒として働くためのストレス耐性ができているため、最初から成果を出していく人もいますが、それはかなり少数派だと思います。

このような自分の理想像と現実のギャップから生じるストレスを乗り越えらずにリタイアしてしまうと社会に戻るのが怖くなってしまいます。
一度休職してから働けなくなったという人の中には、このタイプの人が一定数います。

理想の上司像と現実の上司とのギャップ

ハラスメントをしたり、全く自分の責任を果たさずに部下に仕事を押し付けるような上司は論外ですが、ある程度は上司としての務めも果たしている人が自分の上司だったとしても、自分が持っている上司への理想像が強いために現実の上司とのギャップを感じて不満が生じることがあります。
上司への過度な理想を持っている人は、上司ならこうあるべきだという考え方があって無意識に自分への理解と支援を求めている傾向があります。

特に『理解して欲しい』という思いが強く、自分が受け身で自分の思いを発していないにも関わらず理解してもらうことを求めて不満を抱いています。
上司も常に一人の部下のことだけを見ているわけではないので、自ら思っていることや困っていることなどがあれば伝えるようにしないと対応してくれません。
頑張っていることを理解して欲しいと思っても、頑張っているつもりでも成果につながらない努力をしている場合は評価してくれません。
その行動を良いことだと評価してしまうとその人は成果が出ない行動を延々と繰り返すようになってしまうからです。

また、『頑張っているのを認めて欲しい』という思いがあるのに自分が求める評価を得られないことで不満を持っています。
このような人は、仕事では成果を出すことが求められ、成果を出すことが評価につながるという現実を受け入れることができていない状態です。
部下を育成する力をある程度持っている上司なら、まだ結果は出ていなくても結果につながる努力をしているのであれば、その行動を評価してくれます。
しかし、頑張っているつもりでも成果につながらない努力をしている場合は評価してくれません。
なぜなら、その行動を良いことだと評価してしまうとその人は成果が出ない行動を延々と繰り返すようになってしまうからです。

理想の上司像が強い人ほど依存性が強く上司に完璧さを求める傾向が強いため、上司との関係の中で自分の思いが満たされないと不満を持ってしまう傾向があります。

理想と現実のギャップにより生じるストレスへの対策

自分と上司に対する2つの自己像と現実とのギャップによって生じるストレスに負けないためには、ギャップを埋める思考力と実力を身につけることが必要です。
理想があるということは、自分に対しても上司に対しても期待をしているということでもあります。
期待を抱くこと自体に問題はないのですが、その期待が満たされない時にどのように現実を受け止めるのかというところがストレスの生じ方に関わってきます。

理想と現実の間を埋める思考力

社会人として働く中で理想と現実のギャップによって生じるストレスに負けない人は以下のような思考をしています。

  • 現時点ではできないことがあり、できるようになるには準備や努力が必要
  • 他人から評価を受けるのも他者を理解するのにも時間が掛かる
  • 立場が違っても誰もが自分の課題や問題を抱えている。
  • 自分の感情の面倒は自分で見ることが大切
上記のような思考をしていると、理想と現実のギャップに直面しても、それを自分の頭の中で調整することができます。
仕事をする上で自分に対しても上司に対しても期待をして一定の理想像を持つことは不自然なことではないので、大切なことは理想と現実のギャップを埋めるには、理想の方を落とすのか、もしくは自らの行動によって現実を変化させることが必要だと理解していることです。

その理解を持っていれば、自然と理想と現実のギャップを埋めるために理にかなった思考ができるようになります。
時には自分の理想を落とす必要性が出てきても受け入れられるし、現実を変えるためには行動と時間が必要であることも受け入れられるでしょう。
そこを押さえることができていれば、どんな方法を選択して行動すればいいのか見えてくるはずです。

実力が理想と現実のギャップを埋めてくれる

社会に出て働き始めて理想と現実のギャップに悩む人は、学生時代に一定の成功体験があるという人います。
その成功体験とは、勉強を頑張って自分が望む進路を進んできたということ、大学時代に学業で良い成績を修めたことなどです。
この場合、結果だけを取って自分が社会に出ても活躍できると思ってしまうと理想と現実のギャップに直面しやすくなります。

まず能力と実力というものは別物です。
能力とは、何かを実行するために必要な要素で、実力とはその要素を利用して成果を出すために力です。
例えば、記憶力と計算力は能力でそれをもとに良い大学に入ったり、大学で良い成績を修めたというのが実力です。

社会に出て仕事をする上では、学生時代に使った記憶力や計算力という能力は役に立ちますが、どのように活かせば成果が出るのかはある程度の経験を積まないとわからない場合があります。
これは、自分が就いた仕事に関しては能力はあっても実力がないという状態です。

理想が高い人は、これまでの人生で自分の能力の高さを何となく感じてきている人が多く、社会に出ても最初からある程度成果を出せるという理想像を持っているのですが、実際は能力の活かし方は知らないので成果を出すことができずに理想と現実のギャップに悩んでしまうのです。
新しい環境で成果を出すには、自分が携わることに対する理解と経験によって能力を成果につなげることができるようにならなければなりません。
そうなれば成果は出るようになるし、成果が出る過程の中で実力が身について行くのです。

社会人として働く前に能力と実力の違いについて知っておくと就職してからすべきことも見えてくるし、過度な理想を持つことなく現実を受け入れることもできるのでストレスも抱えにくいと言えます。

新社会人のストレスに対する自己管理法

新社会人の方には、新入社員として働き始めた段階でストレスで働けなくなってしまわないように自己管理のための心構えを持っておいて欲しいと思います。

新社会人として優先すべきことは以下の通りです。

1.心の健康を保つこと
自分の心が健康かどうかはとても重要です。
心が健康であれば思考も健全になり、行動力も高まります。
好奇心、意欲、行動力、他者への思いやりなどが持てて入れば概ね健康です。
これらが失われ掛けていたら、睡眠時間を確保する必要性、ストレスを緩和する必要性があると思って下さい。

2.実力をつけるために努力すること
心の健康が維持できていれば努力をすることができます。
個人差はありますが、多少は睡眠時間が短くても心が健康であれば若いうちは結構活動できるものです。
新社会人のうちは努力して実力を身につけて下さい。

人間は過度な支援や評価を求めすぎるとストレスも増えてしまいます。
上司から過度な支援を求めても得られることはなく、得られたとしてもそれは自分の成長の妨げになります。
実力をつけるほど上司からの支援は必要なくなるので、上司に対する理想を低下させることができます。
また、早い段階で評価を求めることは、評価を得ることができずにストレスになります。
すぐに評価を得ることが難しいのは、他人から理解されるには時間が掛かる、社会では努力ではなく成果が評価の対象であるという2つの理由があるからです。

社会人になってからは努力を重ねていけば能力が高まり、能力の活かし方も学んでいくことで実力が身に着きます。
他者からの評価は自分に対して他人が持つ印象なのですぐに無くなってしまうこともありますが、実力は自分が身につけた能力と能力を活かす方法なので自分が持ち続けることができます。

3.視野を広げるために人と会うこと
視野の狭さは、思い込みの強さ、選択肢の少なさでもあります。
視野の狭い人はストレスを抱えた時、上手くストレスを小さくすることができません。
社会に出たら社内、社外問わずいろんな人に会って、その価値観や体験談を聴かせてもらって自分の視野を広げましょう。
心が健康で努力ができる人物であること、そしてある程度実力があれば他人はあなたに興味を持ってくれるので、有益な人との出会いも増えます。


社会人として働く上で生じる理想と現実のギャップは、1、2、3を心掛けていると大きくなりにくいはずです。
評価を求めて成果につながらない無理をすると健康レベルは低下します。
実力をつけることよりも評価を得ることを優先してしまうと周囲からの信頼も得られません。
視野が狭いと社会人生活の中で生じるさまざまな課題や問題に上手く対応できません。

新社会人として働く人には、1、2、3の優先順位を意識してしっかりとした実力を身につけ、視野も広げていくことが健康な心で働き続けることにもつながると思います。
新社会人として理想と現実のギャップで悩む人達の話を聴いている中で、この記事に書いていることを知って頂きたいと思ったので参考にして頂ければと思います。



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