吃音を克服したいという相談

話し始めるときに「き、き、き、き、き、今日は・・・」と最初の文字を連呼してしまう、「きーょうは」と最初の文字を伸ばしてしまう、「・・・今日は」と最初の文字が出てこないといった状態になってしまう方がおられます。

上記のような状態を『吃音』といい、悩みの程度は違えど、話し始めると上手く言葉が出てこないということに悩まされるのです。

以前は、吃音のことを『どもり』と言っていたのですが、今は差別的な言葉ということで使用が控えられるようになっています。
この記事では、『どもり』とキーワードでインターネット検索をしておられる方にも情報を提供できるように、少しだけ『どもり』という表現を使っていますがご了承下さい。

大人になってからも吃音で悩んでいる方、いつからかどもるようになったという方、自分の子供が吃音かもしれないと気になっている方に参考にしていただければと思い記事を書きました。

吃音症の種類

実は吃音症には2つのタイプがあります。
1つは発達性吃音と呼ばれ2歳〜5歳くらいの幼児期に発症するもので、吃音症の9割は発達性吃音だと言われています。

もう1つは獲得性吃音と呼ばれ何らかの原因で脳の中枢神経が傷を負って発症する場合とストレスを受けたり、過去のトラウマがあることで生じる場合があります。
獲得性吃音の発症はどちらの場合でも10代以降が多いと言われています。

発達性吃音に関しては幼少期に発生して成人になるまでに自然に治ることが多く、大人になってからも残っている可能性は1%ほどのようです。

吃音症で悩んでいるとカウンセリングに来られるケースは基本的に獲得性吃音の方です。
ある年齢まで大丈夫だったのに吃音が出始めて人と話すことが怖くなり、自分に自信が持てなくなったということで相談に来られるケースがよくあります。
相談に来られるのは高校生から40歳までの方が多く、男女比は5:1くらいです。

吃音を悪化させる不安

「またどもったらどうしよう…」という不安が吃音を悪化させているところがあります。
吃音が出やすい言葉を別の言葉に置き換えるのも不安があるからです。

不安な感情が緊張を生み出し、緊張することによって吃音が出やすくなる。
緊張したときだけ吃音が出るというケースもありますからね。

学校で吃音をからかわれた経験がある人はトラウマになっていて不安を強く感じやすいですが、からかわれていなくても吃音が出ることを恥ずかしく思うことで不安を感じ、吃音が出やすい状態なることも少なくありません。

生まれつき神経質な人は吃音に対して不安を感じる度合いが高く、結果として吃音が出てさらに吃音を意識して悪化していくパターンに陥ります。

大人にとっての吃音克服とカウンセリング

ストレスケア

吃音症の原因がストレスやトラウマの場合、ストレスのケアが重要になります。
ストレスが原因で吃音になり、吃音であることに悩むことでさらにストレスが掛かって吃音が改善しないという悪循環に陥っている方が多いので、吃音になった経緯を聴いたりしてストレスのケアをおこなっていきます。
自分が人に知られたくない、人にどう思われているのだろうと不安になっていることを安心して話せる場所があるということ自体がストレスケアとして効果的です。

そもそもストレスを抱えやすい物事の捉え方をしてしまっているケースが多いため、カウンセリングでは捉え方を変えてストレスを抱えにくくすることにも取り組んでいきます。
吃音に対して他人がどう思っているのか等、他人の目線で見ることができるようになることで自意識が緩和し、吃音に対する過剰な意識が改善するのです。

吃音を受け入れる

更に吃音症の改善には吃音が出ないようにすることだけに囚われず、吃音があっても大丈夫だという認識を高めていくことが、結果的に吃音が少なくなったり、出なくなったりすることにつながります。
吃音を過剰に恐れていると原因であるストレスを生み出してしまうからです。

吃音を気にしていると吃音が出ることですべてが決まるかのような感覚に陥りますが、実際のところ吃音が出る出ないは一部のことでしかない、全体に与える影響がそこまで大きくないとわかってくると楽になります。

吃音をなくそうとすればより意識が強まって悪化する。逆に吃音がある自分を受け入れて共存していくスタンスになれば肩の力が抜け、吃音が出づらい状態になっていくものです。

吃音で悩んでいてカウンセリングを受けようかと思っている方は、ストレスのケアと吃音の受け入れという両方から改善を試みるという認識を持っておくといいでしょう。
カウンセリングでは大人の方の吃音の悩みの相談に対応しているのでご相談下さい。

子供の吃音でお悩みの方へ

子どもの吃音症で悩む方へのアドバイス

吃音の相談は、ご本人だけでなく親御さんが来られることも多いです。
お子さんの年齢は主に幼稚園から小学生です。
親御さんには主に下記のようなアドバイスをさせて頂いています。

・親が子供に話しかける時にはゆっくりと話すことが大切
・親は子どもが話し終わって一呼吸おいてから話し始める
・親は子どもが話している時に吃音が出ても、指摘せず、遮らずに最後まで話を聞く
・子どものスケジュールを塾や習い事で埋めすぎないようにする
・毎日親と子どもが一対一で関わる時間を持ち、安心感を与えてあげる

吃音克服のためのカウンセリング

お子さんが吃音で悩んでいるという方は上記のような取組みをしていただくのが良いです。
ただ、吃音になる要因の一つに親子関係のストレスがあるため、親が注意をして接しようとしても子供の心の中で親に対する警戒心が和らぐまで時間が掛かります。
その分のフォローとしてカウンセリングを活用していただければと思います。

カウンセリングではお子さんストレスが和らぐように話を聴いていきます。
子供の吃音でお悩みの方はカウンセラーにご相談下さい。