昨日書いた『記憶が飛ぶという悩み』という記事と関連している内容なのですが、人はストレスを抱え過ぎると現実感が感じられないという状態になってしまいます。

現実感が感じられないという違和感に気づくのは、誰かと一緒にいる時にその場にいるのに、誰かといる臨場感が感じられなかったり、会話をしていても心がついていっていない感じがする時が多いようす。

現実感を感じにくいという状態は、自分さえ違和感を受け入れていれば日常生活は遅れるのですが、本人にとって本来感じることができる感覚を感じられないという違和感、虚しさなどがあります。

心と体がズレているような違和感

現実感が感じられないという状態は、すぐに困るような問題が起きるわけではないので、違和感を抱えていても放置して生活をしてしまう人が多いようです。
しかし、現実感が感じられないのは、脳のストレスに対する防衛反応であるため、
防衛反応が起きるほどのストレスを抱えている状態だということです。

もし、あなたが現実感を感じにくい状態なのであれば、ストレスのケアをして欲しいと思います。
まずは、自分に下記のような自覚症状がないかチェックして見て下さい。

現実感が感じられない人が持っている自覚症状

現実感が感じられないという悩みを抱えている人には、主に下記のような自覚症状があります。

  • 自分の身体と心が離れてしまっているような感じがする
  • 自分が何を感じているのか、何を思っているのか実感がない
  • 自分の身体なのに、他人のもののような感覚になる

このような実感があっても、それを抱えたまま生活している方もたくさんおられます。

どこか違和感があっても、ストレスが影響しているということやカウンセリングを受ける選択肢を知らないため、おかしいと感じながら周囲には気づかれないように日常を送っていることが多いです。

ただ、友達といても楽しい、つまらないという感覚も弱かったり、他の人が言っていることを冷めて捉えていたりと、人の輪の中にいても違和感があったりするので、そういう分では悩みを抱えている人もおられます。

現実感が感じられないということでカウンセリングを受けに来られている方は、違和感に対しての自覚や問題意識が強く、今の状態を改善したいという気持ちが強いために予約を入れたという方が多いです。

離人感・現実感消失症という心の病と解決の可能性

上記のような症状は、離人感・現実感消失症と言われています。
ストレスによって脳が影響を受けて現実感が無くなるわけですが、数年前に発表された国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の研究では、現実感が薄れている時は脳の線条体という部分のドーパミン密度が高まっていることが分かったそうです。

この研究結果を考慮すると、人によって離人感が生じやすい人がいる可能性もあります。
さらにカウンセリング以外のアプローチでも解決の方法が見つかるようになるかもしれないという期待も感じられる結果だと思います。


ただ、カウンセラーとして離人感・現実感消失症だと感じられる人の相談を受けてきた経験から言えることは、話を良く聴かせてもらうとかなり大きなストレスを受ける体験をしているケースがほとんどだったということです。
そのようなことからも、現実感が感じられないという人達は、耐えきれないストレスに対して自分の心を守るために症状が出ていると感じます。

これは、現実感が感じられないということでカウンセリングという選択肢を選ぶ人達は、ストレスを受ける出来事があったと自覚があるからカウンセラーに相談しようと思ったということの表れかもしれません。

反対に現実感が感じられないけど、なぜ自分がそうなっているかわからないという人がおられる場合は、ストレス原因はあまりないのに症状はあるという状態であるため、カウンセリングという選択肢は思いつていない可能性があると感じています。

現実感が感じられない方へのカウンセリング

離人感、現実感喪失症は、以前は離人症とも言われており、解離性障害の一種です。
解離性障害には、その他にも記憶を無くしたり、人格が分離するという症状もあり、いずれも大きなストレスを受ける出来事を経験している傾向が高いです。

カウンセリングの中で現実感や生きている実感がないという人の話を聴いていると大きなストレスを感じる体験をしているケースがほとんどです。
そのため、カウンセラーはストレス体験についてゆっくりと話を聴かせて頂きます。

自分の身に起きたこと、そのことから感じたこと、自分の現実感が薄れてきたことなどを振り返って話をしてもらうようにしています。
その際には、無理に話をしようとする必要はありません。
自分のペースで話してもらえばいいし、心がつらいと感じたら話しやすいことを話ながら、また本来の話のテーマに戻ってもらうという感じで大丈夫です。

私達は、現実感が感じられず違和感や不安を持って生活をしている方に、自分の感覚を取り戻して頂きたいと思いカウンセリングをしています。
もし、カウンセリングを受けてみたいと感じられたらご連絡下さい。


リスクカットも離人感、現実感喪失症の人が行いやすい行為なので、気になる方は下記のページをお読み下さい。
  ↓
リストカットをしてしまう心理